数学を得意にするために(後編)

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昔、ある生徒がこう言ったのを覚えています。

『こんな問題、答えを見ればわかるけれども自分で答えが見つかるわけがない!』と。

 

その女子生徒は学校の通知表では4、時には5も取ったことのある比較的数学のできる生徒ではありましたが、その時点では数学の発展問題に対する向き合い方が十分わかっていなかったわけです。

彼女の発想の何が間違っていたのでしょうか。

 

この生徒が知らなかったことは、「数学の応用問題は論理つまり筋道を立てた考え方であり、習って来た定理・公式とその論理を武器に解き方を探すこと」なのだということです。

難度の高めな問題に対する向き合い方は、様々な角度から実験を繰り返しながら解決への糸口を探していく「試行錯誤」が必須になってくるものです。

 

そして、この手の問題というものはその解き方が何通りもあるものであり、自分なりであろうが正しい論理で進めていけばたとえ遠回りになったとしても答えにたどり着くものなのです。

つまり彼女が知らなかったことあるいはやってこなかったことは、「試行錯誤、いろいろな角度から実験したり、組み合わされた融合問題を一つ一つ分けて単純化してみること」なのです。
あるいは難しめの問題に対する粘り強さが足りなかったのかもしれません。

 

我々が見るところ、1つの難しめの問題を10分でも15分でもあれこれ考えることの出来る粘りがある生徒は数学が得意になっていきます。逆に言えばその粘りがない生徒はそのあたりの思考力に対する耐性を少しずつ付けていくことが求められます。

 

「論理」「粘り強さ」「試行錯誤」を鍛え、自分なりの考え方で遠回りであっても答えを出していく姿勢さえ身に付いてくれば確実に力が付き始めます(ただし模範解答の解き方も必ずチェックします)。

そうすれば、本当の数学の楽しさもわかってくるはずです。